「住宅を現金で一括払いすると何か良いことがあるの?」
マンション・戸建を購入する時は、多くの方が住宅ローンを利用しますが、現金での一括購入を視野に入れている方もいらっしゃいます。
住宅ローンを利用する場合と、現金一括で購入する場合…
何が変わるのでしょうか?
今回は現金一括でマンション・戸建を購入するときのメリット・デメリットについてご紹介します。
□現金一括でマンション・戸建を購入するメリット
*住宅ローンの各種諸費用がいらない
住宅ローンを利用する場合、銀行とのやりとりで様々な手数料等の諸費用が掛かりますが…
現金一括で購入する場合は、このような諸費用が掛かりません。
掛からなくなる諸費用は、以下の通り。
・銀行とのローン契約の印紙代
⇒住宅ローンを利用する場合は、1~3万円の印紙が必要です。
・融資事務手数料
⇒銀行により、約3万円~借入金額の2%(例:4000万円の借入の場合は、80万円)くらいまでの幅があります。
・保証料
⇒銀行により、0円~借入金額の2~3%(例:4000万円の借入の場合は、80~120万円)くらいまでの幅があります。
これらの諸費用が掛からない=数万円~ときには100万円以上お得になる、ということになります。
*住宅ローンの利息分が発生しない
住宅ローンを借りると利息が発生しますが、現金一括で購入する場合は、利息が発生しません。(当たり前ですね…すいません…)
昨今の住宅ローンは低金利ですが、期間が長いため、トータルで掛かる利息分の金額は、少なくありません。
例えば…
借入金額:4000万円
借入期間:35年
金利:0.5%
この場合の利息を計算すると…
借入元金:4000万円に対し、返済総額:4361万円になり、差額:361万円が利息分となります。
※計算上は金利は0.5%から変動しないものとして算出しています。
現金一括で購入する場合は、この361万円が、まるまる浮く、ということになります。
*手間と時間が掛からない
住宅ローンを利用する場合は…
・事前審査書類の記入、必要書類(源泉徴収票、保険証など)の提出
・本審査書類の記入、必要書類(住民票、印鑑証明書など)の提出
・銀行とのローン契約手続き
このような作業が必要になります。
審査書類の記入(および押印)の手間はもちろん、住民票などを取りに役所に行く手間や、実際に銀行に出向かなければならなかったり…結構、面倒です。
そして当然ながら、そのための時間も掛かります。
※住宅ローンを利用する場合は、契約~引き渡しまで、約1か月間掛かります。
住宅を現金一括で購入する場合は、このような手間+時間が掛かりません。
そのため、契約~引き渡しの期間を短縮することも可能です。
(場合によっては、契約後、即時引き渡しも可能です。)
□現金一括でマンション・戸建を購入するデメリット
*住宅ローン減税(控除)が受けられない
現在(2020.09.26現在)は、住宅ローン減税(控除)という制度があります。
住宅購入時に住宅ローンを利用した方は、一定の要件を満たすと、毎年、一定額の所得税の還付が受けられます。
(その時々で内容が変わるので…住宅ローン減税(控除)の具体的な内容は、ここでは割愛します。)
現金一括購入の場合は、住宅ローン減税(控除)が受けられず、所得税の還付は受けられません。
※ただし…払っている所得税額が相当大きい方でない限り、住宅ローン減税(控除)で戻ってくる金額と住宅ローンの利息分の金額を比べると、住宅ローンの利息分のほうが大きくなります。
住宅ローン減税(控除)で還付される金額 < 住宅ローンの利息分の金額
*手元から現金が減る
住宅を現金一括購入すると、その分の現金がお手元から無くなります。(当たり前ですね…)
住宅以外に想定される出費…子供の教育資金、車の購入資金、親の介護資金などなど…がある場合は、現金が手元にないと困る場合も。
その都度、各種ローンを利用するのもいいですが、住宅ローンが比較的低金利なので、住宅ローンで借りておいて(手元に資金を残しておいて)、その他の出費は現金で支払う、という考え方もアリです。
*団体信用生命保険が無い
住宅ローンを利用する場合は、団体信用生命保険の加入が義務付けられます。(例外もありますが)
団体信用生命保険=借入本人が死亡または高度障害になったときに、ローンの残高がゼロになる保険です。
この団体信用生命保険は、保険料は金利に含まれていて、別途費用は掛かりません。(例外あり)
「ローン残高分の生命保険に無料で入っている」と考えることもできます。
現金一括購入の場合は、団体信用生命保険は無いので…同じようなものを付けるとすると、別途、生命保険に加入することになります。
そのため、もしもの時に備えるということで、あえて住宅ローンを利用して団体信用生命保険に加入する、という方もいます。
□【注意】贈与税が掛かる場合があります!
マンション・戸建を現金一括で購入する方の中には、両親からの援助を受ける方も少なからずいらっしゃいます。
そんな時は、贈与税が掛かるかもしれませんので、注意が必要です。
住宅購入時の資金の贈与については、要件を満たせば、一定金額までは贈与税が控除されますが…
それを超える部分の金額の贈与があった場合は、贈与税の対象になります。
贈与税は税率が高く、できれば払いたくない税金の1つです…
贈与税の課税対象にならないように事前に贈与額を調整するか、両親との共有名義にするか、対策を練っておくのが良いでしょう。
ちなみに…
現金一括で住宅を購入すると、税務署からお尋ね書が届くことがあります。
(税務署は法務局の登記情報から、住宅の購入情報を把握しているようです。)
これは住宅購入資金の出所を調べるもので、もし贈与があった場合は、贈与税の対象になるかどうかを調べるものです。
回答は任意のようですが…虚偽の回答をしたり、無視したりしても、最終的には調査が入ってしまいますので、できる限り誠実に回答しておくのが得策です。
□まとめ
今回はマンション・戸建を現金一括で購入するメリット・デメリットについてご紹介しました。
この選択肢を取れるお金に余裕のある方(う、うらやましい…)は、なかなかいらっしゃらないかもしれませんが…
もし、現金一括で購入する場合は、この記事の内容を踏まえ、不動産業者や税理士とよく相談して手続きを進めていきましょう!
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